ビーチ・思いやりと寛容さ
ビーチは、高さが30mに達する落葉広葉樹で、堂々とした風格を持つ木です。
同じ木に雄花と雌花を持ち、葉が出てくる4月から5月にかけて花が咲きます。
その昔、ビーチの樹皮で本が作られていたことから、
本(Bücher)という単語は、ビーチ(Beech)という木の名前から派生したようです。
また、北欧では、魔法の文字であるルーン文字をビーチの樹皮に刻みつけていたことで、
ビーチはゲルマン語で「ルーン文字を刻むブナの木片」を意味し、
アカシックレコードを含む過去からのさまざまな知識から
洞察を得て強固な基盤を作るための道具でした。
それから、中世ドイツのベネディクト会の女子修道院長であり
神秘家のヒルデガルト・フォン・ビンゲンは、
ビーチに、土星の性質である「適度」と「秩序」の象徴を見出しました。
ビーチが秘めている魂は、思いやりと寛容さです。
●ビーチの性質がマイナスに現れたとき
心が狭く、柔軟性や寛容さに欠けます。
人は誰でもこの状態に陥ります。
自分の価値基準を掲げて、人に対して批判的になり、
冷たい人や傲慢な人として見られることもあります。
ビーチの性質がマイナスに現れているときは、
魂が導こうとしている人として成長する生き方を受け入れず、
自分が直面する可能性のあるマイナスの経験をすべて跳ね除け、
高次の自己の声に耳を傾けないで済むように自衛手段を取り、
その結果、独自の理論を生み出します。
そのため、人に対して批判的で尊大な態度になり、
自分が望まないマイナス感情を外側の世界に向けて跳ね返します。
このような否定的な態度は、本人にとってよくないだけでなく、
まわりの人たちに否定的なバイブレーションを与えます。
また、その否定的なバイブレーションは、
最終的には自分自身にも跳ね返り、
結果的に身体の不調となって現れることもあります。
このような状態のときは、どんどん頑なになっていき、
自分自身の高次の自己とも、まわりの人たちとも、
エネルギーの交流がまったくなくなります。
●ビーチの性質を持つ人
グレーのスーツなど、いつもきちんとした身なりをしていて、
背筋が伸びていて、何事にも折り目正しく、整然とした態度を取ります。
得意なことに関してはその知識を鼻に掛けることもあります。
ビーチの性質を持つ人は、
誰もが同じ性質を持っているわけではないということをすっかり忘れています。
そのため、他人の粗(あら)はよく目につくのですが、
自分の欠点には甘く、自分の内面に目を向けたり、
体験したことをじっくりと消化したりすることができません。
このことから、ビーチの人は、胃腸など消化器官の不調になりやすいです。
●ビーチで得られる目覚めた状態
身体にポジティブなエネルギーがスムーズに流れはじめ、
堅かった部分がほぐれていきます。
そして心の柔らかさを取り戻し、
さまざまなことに喜びの感覚を感じるようになります。
これまで自分で設定していた狭い価値基準を手放し、
高次の自己に向かって意識が開かれ、魂のエネルギーとつながります。
そこで、高次元のところからくる価値基準が与えられ、
批判的だった精神は、
世の中のために役に立つ建設的な分析力や判断力に変わります。
その時、尊大さは愛と包容力に変わり、
人から慕われる寛容さを持つことでしょう。
エドワード・バッチは、
イエス・キリストが、自分を拷問し十字架にかけた人々のために
「神よ、彼らを赦したまえ。自分のしていることがわからない者たちなのですから」
と祈ったのは、この霊格の高いところからくる愛と包容力であると言っています。
※中島志保さんのブログ「アカシックレコードの世界」より転載させていただきました。